RESEARCH
研究内容

AIを用いた半導体型光電極の探索と水素生成技術の開発

【研究目的と研究概要】

 

水素は宇宙でもっとも軽く、豊富に存在する元素です。単体ではほとんど存在しませんが、水やメタン、アンモニアなど、我々の身近な物質に含まれており、燃やしても発生するのは水だけなので、カーボンニュートラルの実現に向けたクリーンなエネルギーとして注目されています。

水素の活用は様々な形で推進されています。例えば、生成した水素をボンベに充填したり、液化して容器に貯蔵することで、長期に渡る保管や、長距離輸送も可能になり、気候変動の影響を受けやすい再生可能エネルギーを補完する安定的なエネリギー源としての役割が期待できます。また、二酸化炭酸(CO2)を溶け込ませた電解液を還元することで、炭化水素からメタン、エタン、メタノール、エタノール、エチレンなどのアルコールを生成するCO2回収技術としても活用が期待されています。

水素の生成には様々な方法がありますが、太陽光の照射下で水を安定的に酸化し、電気エネルギーの印加なしで駆動することができる光電極となる半導体材料の存在は、まだほとんど知られておりません。当研究室では、この高効率で水素を生成する半導体発電システムの構築に注力し、半導体型光電極を用いた水分解で水素を作製し、二酸化炭素の回収や安定的なエネルギー源にするための技術開発をAI予測最適化技術と融合させることで、開発期間の大幅な縮小と開発コストの低減を図ることを目指しています。

 

 

 

【期待される研究成果等】

 

 

図1に示すように、半導体型光電極を用いて水素を高効率で生成するには、光電極となる半導体材料の開発が鍵となります。半導体ごとに利用できる光の範囲が異なるので、より広範囲なスペクトルに対応できる半導体の材料が望まれます。課題としては、より理想的な半導体電極を開発することが必要になりますが、現在、理論的にベストな構造は分かっているものの、その作製方法は確立されておりません。また、理論的にエネルギーの変換効率の向上が想定されても、予想通りになるか否かは、実験的に検証してみなければわかりません。そこで本研究では、AIと材料物性計算を融合し、機械学習や強化学習そして数理最適化アルゴリズムを用いて高効率光電極の探索をし、結果を速やかに実験に適応させ、実験結果の検証を通して予測モデルの精度を高めるより合理的なAIモデルを構築します。

このようにAIを用いて光電極の探索と逆設計を行うことにより、従来の経験と勘のみに基づく材料・システム開発に比べ開発期間の大幅な短縮が期待できます。さらに、本研究が目指す半導体型光電極を用いた水素生成技術の最終目標としては、太陽の光があれば外部電源なしで水素を製造することが可能になるため、水素生成のコストそのものを下げることにも貢献することが期待されます。

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