Title
Simulating Defensive Trajectories in American Football for Predicting League Average Defensive Movements
Schmid, M., Blauberger, P., & Lames, M. (2021). Frontiers in Sports and Active Living, 177.
📄Resource https://doi.org/10.3389/fspor.2021.669845
🔎Points
- アメリカンフットボールにおけるパスプレー時の守備選手の動きをトラッキングデータを用いて模倣学習しシミュレーションを行った。各選手の動きから学習した動きの軌道を合成したモデル(ゴースティングモデル)を提案
- 模倣学習を行う際に、実際のデータに選手のポジションが記載されていないため、位置についてMDNで予測することで最適なタスク(ポジション)を割り当てている
- ゴースティングモデルはプレー開始からクォーターバックがパスを前に投げた瞬間に予測されるパス成功率を使用して評価されるが、その成功率の計算に量子力学的知見を利用することによって精度が向上した。
💬Questions or comments
- 守備チームに焦点を当てた内容を目にすることがなかったので興味深かった。守備は攻撃側の挙動に対してリアクションを行い行動に移すため、攻撃側が行ったactionに対して守備選手の動きが予測の動きの軌道として可視化できるのは現場でも需要があると感じた。
- また攻撃側のプレー成功率の計算時に量子力学の知見を利用しているとのことだったがイギリスの強豪サッカークラブでも量子物理学者を分析官として迎えた例にあるように、物理学の知見がスポーツにも応用できることは大変興味深かった
Title
A Review on Bilevel Optimization: From Classical to Evolutionary Approaches and Applications
Ankur Sinha, Pekka Malo, Kalyanmoy Deb
📄Resource https://arxiv.org/pdf/1705.06270.pdf
🔎Points
- ある最適化問題(上位)を解くために別の最適化問題(下位)を同時に解決する必要があるバイレベル最適化問題についての研究が纏められている。バイレベル最適化への関心は2017年に至るまで強まり続けているとする(添付図)。
- バイレベル最適化が活用されている例が挙げられている。「化学施設の設計」「企業の意思決定」「機械学習のハイパーパラメータ探索」などで、化学施設の場合、上位問題で出力を最適化し、下位問題でエントロピー関数を最小化する。
- バイレベル最適化の解決法について、二つの問題の関係に応じて複数の解決方法があることを説明しているが、いずれの場合も計算は難しいことに触れている。
💬Questions or comments
- ひとつの決定が別の決定に影響を及ぼすという点で、問題になっている部分がマルチエージェント強化学習に似ていると感じた。実際、例の中には複数の主体が相互に作用する環境を扱っているものが多く挙げられている。
- 「確率計画法」で紹介されているリコース費用を含む確率最適化もこのバイレベル最適化に含まれると思われ、参考になった。
Title
Transition-Metal-Based Electrocatalysts as Cocatalysts for Photoelectrochemical Water Splitting: A Mini Review
Deng Li, Jingying Shi, and Can Li
📄Resource https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/smll.201704179
🔎Points
論文を選択した理由(目的)
1)光電気化学の水分解における遷移金属を基盤とした触媒のレビューである。
2)陰極と陽極についてのレビューがある。
水素発生反応(HER)の陰極(Cathode)について
さらに、
酸素発生反応(HER)の陽極(Anode)についてのレビューがあります。
このレビューにおける遷移金属は、Mo,Fe,Ni,Co
3)自己バイアス光水分解のレビューがある。
[内容]以下、7章から構成されている。
1.Introduction
2.The Review Scope of Photoelectrodes and Electrocatalysis
3.Evaluation of Electrocatlysis and Photoelectrodes
4.Transition-Metal-Based Electrocatalysts as Cocatolyst for PEC-HER
5.Transition-Metal-Based Electrocatalysts as Cocatolyst for PEC-OER
6.Self-Biased PEC Cells for Water Splitting
7.Conclusion1.Introduction
エネルギー問題などについて
電気触媒,電気化学反応を促進する。
光触媒と電気触媒の組み合わせ(Cocatalyst)
Fig.1光電気化学セルの図key-wordsについて
Hydrogen Evolution Reaction(HER) —– Cathodeで水素発生電極
Oxygen Evolution Reaction(OER) —– Anodeで酸素発生電極2.The Review Scope of Photoelectrodes and Electrocatalysis
半導体で光吸収材料(基板)
表1 論文中で紹介する光活性の電極PhotoCathode: Cu2O,a-Si,p-Si,n+p-Si
PhotoAnode:Fe2O3,BiVO4,Ta3N5,n-Si, p+n-Si論文で紹介の遷移金属材料(界面/液面)
Mo,Fe,Co,Ni3.Evaluation of Electrocatlysis and Photoelectrodes
光電気化学で使用される関係式についての解説過電圧の式(1)
Solar-To-Hydrogen conversion efficiency
STH(%)の式(2)
P(totalAM1.5G)=100mWcm-2,faradic efficiency=100とした
STH(%)から変形した式(3)
Applied Bias Photon-to-current efficiency
ABPE(%)の式(4)4.Transition-Metal-Based Electrocatalysts as Cocatolyst for PEC-HER
4.1.1 Mo硫黄化合物について
4.1.2 Other Mo-Based electrocatalysts as Cocatalyst
4.2 Ni-Based electrocatalysts as Cocatalyst
4.3 Co-Based electrocatalysts as Cocatalyst
HER(陰極)で使用の報告
p-typeの光吸収材料
金属単体でなく硫化物、酸化物、燐化物として使用
複数の触媒材料(Ti,TiO2)を複合して使用5.Transition-Metal-Based Electrocatalysts as Cocatolyst for PEC-OER
5.1 Co-based electrocatalysts as Cocatalyst
5.1.1 Cobalt Oxides as Cocatalyst
5.1.2 CoPi and CoBi Electrocatalyst as Cocatalyst
5.2 Ni-Based Electrocatystes as Cocatalyste
5.2.1 Nickel Oxides as Cocatalyst
5.2.2 Nickel-Iron Oxides and NiSe2 Electrocatalysts as Cocatalyst
5.2.3 NiFe Alloy Electrocatalyst as Cocatalyst
OER(陽極)で使用の報告
n-typeの光吸収材料
金属単体でなく硫化物、酸化物、燐化物として使用
さらに、水酸化物
複数の触媒材料を複合して使用
Nano構造化(3D porous構造など)=>高効率のシステムには好まれる6.Self-Biased PEC Cells for Water Splitting
自己バイアス報告は、非常に少ないです。
多くは、
外部電源として
太陽電池を直接セルに接続する。自己バイアスPCE
=>外部電源を使用しない。
ほとんど報告されない。
=>触媒活性が低い、光励起電圧が不足現在
実用的なアプローチとして
太陽電池構造に、PEC構造を結合したデバイス例 紹介は4例のみ
1)タンデム2接合Si太陽電池+CoPi/W:BiVO4光陽極
2)2接合機械的stacked-GaAs/AlGaAsP+ CoPi/BiVO4/O3光陽極
3)外部太陽電池(ぺロブスカイト)+Fe(Ni)OOh/Mo:BiVO4(陽極)+Pt(陰極)
4)人工葉っぱ構造
3接合Si太陽電池+Co:ITO(OER)+NiMoZn/Stainless(HER)今まで、
すべての太陽行光電気分解セル
=>太陽電池構造(埋め込まれたpn接合)を含む7.Conclusion
これまでの報告結果をTable2,3にまとめている。Table.2 PEC HER
水素発生反応:陰極Cathode
Table.3 PEC OER
酸素発生反応:陽極AnodePEC水分解反応の最適化における
4つの戦略
1)透過率の改善
2)活性サイトと電気伝導度の増加
3)有効な結合(輸送と分離促進)
4)比率と配合(Core/Shellなど構造の最適化)
触媒と光吸収としての半導体のミスマッチが重要か?電荷の分離と輸送に間
再結合を導く原因、
=>界面での欠陥と界面エネルギーレベルPEC過程複雑
高効率で長い耐久性を有する光電極システムの作製は可能である。=>活性化密度、界面エンジニアリング、入射光のマネージメント=>他の戦略
正孔貯蓄層、不活性層、中間層の導入すべての導入・結合することで
実用に対して
コスト的に有利、丈夫な光電気触媒が実現可能。
有効であるが、応用は限定的である。
有効な効果は示している。
電気触媒の化学合成ルーツと基板光獲得の間での
非互換性が大きな挑戦である。
問題として
=>日影の影響、付加される再結合中心の導入
さらに、
光吸収体としての半導体とのマッチングが明確でない。
ナノ構造の追加も有効かもしれない。
💬Questions or comments
1)実用化には、長時間安定性に問題である。
陽極=>酸化するので膜が成長する
陰極=>水素発生するために還元される(溶けだす)
=>自己修復する機能など追加が必要
2)なぜ?自己バイアス光電気分解の報告が少ないのか?
=>一つの研究室で、陽極と陰極の両方の研究が必要であるため?
Title
Hydrogen generation via photoelectrochemical water splitting using chemically exfoliated MoS2 layers
AIP Advances Vol.6 015315(2016)
R. K. Jashi, S. Shukla, S. Saxena, et al.
📄Resource https://aip.scitation.org/doi/10.1063/1.4941062
🔎Points
- 水素生成に関する研究は新エネルギー源に対する需要の増加のため大きな関心事になっている。触媒による電気化学反応が水素製造のための有望な技術として提案されている。
- 本論文では、効率的な光触媒として動作するはく離された2次元2硫化モリブデン(MoS2)を用いた光電気化学反応による水素製造に関して報告している。
- 化学的にはく離したMoS2層の膜が水の分解に用いられ、水素が製造されている。発生した水素量は水容器の過圧を観測することにより定性的にモニターされた。
MoS2によって発生した高い光電流が水素を生み出している。
この研究では2D MoS2が光誘起水素製造に対しての光触媒として有望な候補の一つであることを示している。
- 2D MoS2の高い光電気触媒効率は新エネルギー源の一つである水素生成に向けての新しい手法で有る事を示した。2D MoS2の効果的な光電気触媒特性は電子移送を促す最小積層の触媒活性を持つエッジサイトの影響によるものと考えている。
💬Questions or comments
- 実際にMoS2を用いて水の分解を行った際に発生した水素の量は水槽内の過圧をバルーンを用いて測定することでモニターしている点がユニークだと感じた。
- MoS2層で生じる光電流はまだ極めて少なく、実用化までまだまだ改善の余地が残されている。
Title
Machine learning & artificial intelligence in the quantum domain
Dunjko & Briegel
📄Resource https://arxiv.org/abs/1709.02779
🔎Points
1. A review article about many aspects of machine learning and quantum computation.
💬Questions or comments
1. This article actually talks about several different directions: (1) Using quantum machine for machine learning tasks. (2) Using classical machine learning to study quantum systems. (3) Using quantum machine to accelerate machine learning.
2. While this article was very comprehensive, it was written in 2017 so it does not include many recent developments in quantum machine learning since 2019. However, it is a good summary for many of the developments before 2017.
Title
A Two-Stage Reinforcement Learning Approach for Multi-UAV Collision Avoidance Under Imperfect Sensing
Dawei Wang et al.
📄Resource https://ieeexplore.ieee.org/document/9001167 https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?arnumber=9001167
🔎Points
- multi-UAV(unmanned aerial vehicles)の衝突を回避しながらの制御について強化学習を用いた手法について提案した。
- 従来の手法では隣接するUAVに対して完全な情報を得て制御しているが、実際には隣接するUAVの情報やセンサーの情報は不完全であり、実用上これらを考慮する必要がある。著者らはそれらの条件を考慮した環境で実験を行なっている。
- 使用しているアルゴリズムはDDPGだが、特徴的なのは学習を2段階に分けていて、1段階目はORCAという論文(手法?)に基づいた損失関数を用いてactorを学習し、その学習が収束したら、2段階目は通常のreward最大化についての学習をすることである。
💬Questions or comments
- multi agentやuncertainlyというキーワードがあり読んでみたが、RL(DDPG)のみでも成功しており、特にこれらを考慮した工夫がどこにあるのかわからなかった。
- 実験(衝突を回避しながらそれぞれのUAVが目的地への到達を目指すタスク)の評価項目は、衝突せずにタスク成功した割合や、真っ直ぐ目的地に向かった時と比較してどれだけ余分な距離/時間を要したかなどがある。この中で、提案手法が成功率が高い一方で、余分な距離/時間がかかっていることについて、「提案手法は、Agentは1st stageの学習で衝突回避することを学習しているため、衝突回避しながら目的地に向かおうとするため余分な距離/時間がある」と書かれていた。これがもし正しければ、2段階の学習というのは面白いなと思う。(1段階目は単にドメインナレッジを入れて学習をしやすくしているように感じた。報酬の設計に衝突に対しての罰則などが含まれているため。)
Title
“Ab initio calculation of electronic transport properties between PbSe quantum dots facets with halide ligands (Cl, Br, I).”
Wang, Bo, et al. Japanese Journal of Applied Physics 57.8S3 (2018): 08RF01.
📄Resource https://iopscience.iop.org/article/10.7567/JJAP.57.08RF01/meta
🔎Points
・ハロゲン(I, Cl, Br)のリガンドを配位したPbSe量子ドットの表面について密度汎関数法(DFT)と非平衡グリーン関数法(NEGF)を用いて量子コンダクタンスを計算した。
・(001)面での量子コンダクタンスはヨウ素をリガンドとした場合が最も移動度が高いことが示されている。
💬Questions or comments
・(001),(110),(111)面にヨウ素を配位した場合の輸送特性の傾向がリガンドを配位していない量子ドットと同じような傾向を示しているとされているが、他のリガンドの場合も同様の傾向であるのかが気になった。
・ゼロバイアスでの電荷輸送の結果については分かったがバイアス下での電荷輸送について気になった。
Title
Ab Initio Molecular Dynamics of CdSe Quantum-Dot-Doped Glasses
Wenke Li.et.al, J. Am. Chem. Soc. 2020, 142, 8, 3905–3912
📄Resource https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacs.9b12073
🔎Points
・本論文では、第一原理分子動力学シュミレーションを用いて、ケイ酸ナトリウムラスに埋め込まれたCdSe量子ドットのモデル化を行い、量子ドットとガラス界面で起こる再編成の際の原子構造から構造特性と原子構造を求めている。その結果を実験結果と比較をしたところ、各原子の動径分布関数が一致しており、第一原理分子動力学シュミレーションの有用性を示している。
・ガラスマトリックス540原子、CdSe量子ドット66個の計606原子で第一原理分子動力学シュミレーションを行っている。
・分子動力学を用いて、界面のシュミレーションを行ったことにより、局所的な原子界面構造を直感的に視覚化することができる。
💬Questions or comments
・本論文では、3回の構造作成(ガラスマトリックス構造、ガラスマトリックスの中に量子ドットを埋め込む穴の構造、ガラスマトリックス中のCdSeを入れた構造)を行い、それぞれの構造作成の際に分子動力学と第一原理分子動力学の使い分けを行っており、それによって時間短縮もできているので自分も参考にしたいと思った。
・分子動力学では、物質によって、温度やシュミレーションの時間の設定を行うのだが、本論文では何を基準にこのような設定の計算を行っているか知りたかった。
・どの程度のパソコンのスペックで計算を行ったのか知りたかった。また、かかった計算時間についても記述してほしかった。
Title
“Deep Reinforcement Learning for Quantum State Preparation with Weak Nonlinear Measurements”
Riccardo Porotti et al., (Max Planck Institute for the Science of Light), Quantum 6, 747 (2022).
📄Resource https://quantum-journal.org/papers/q-2022-06-28-747/
🔎Points
- 事前に観測した測定結果に基づいた量子フィードバック戦略を自動的に発見するのは、(1) 標準的な最適制御技術が適用できない. (2) フィードバックは探索空間を大幅に拡大させるため,時間ステップでの戦略数が指数関数的に増大してしまう. このような理由から困難だが, この問題をDRL(深層強化学習)を用いることで解決した量子制御と強化学習を組み合わせた論文である.
- 非線形測定を利用することで, ただの線形制御のような単純な操作を補うことができるのかを量子非破壊測定を用いることで検証している.
- 単一のFock状態からFock状態の重ね合わせ状態への制御と安定化を検証している. →量子制御独特の状態への検証を行なっているので良い.
💬Questions or comments
- 報酬関数ではターゲット状態に対する現在の状態の忠実度を用いていて, この設定の式が{ r_t = |F(t)|^θ }となっている. このように指数関数の形を用いることによりターゲット状態に近い状態にはより大きい報酬を, 離れた状態には低い報酬を与えるように工夫しているところが面白いと感じた.
- この論文では, エージェントに密度演算子ρを返して学習を進めていたが, これでは状態の全ての確率分布が各ステップで完全に分かっているということになってしまうので,現実に即したシミュレーションになっているのかというところで疑問が残った.
Title
Attention Is All You Need
Vaswani, Ashish, et al. Advances in neural information processing systems 30 (2017).
📄Resource https://arxiv.org/abs/1706.03762
🔎Points
- 2017年にGoogleの研究チームから出された論文であり、Attentionのみを用いた、Transformerと称して使われているモデルの前身となった論文である。
- 従来のRNN・LSTMなどの時系列において、アテンションを用いた方法は存在していたが、アテンション構造のみを考えることによって、大幅な計算量の削減及び、勾配消失問題の解決まで可能になった。
- 構造については1つ目の写真(エンコーダー:左・デコーダ:右)の構造であり、RNNのデメリットである、1. 並列化の難しさ、2. 文章が長いときの計算時間とメモリ使用量における問題点をカバーしている。
💬Questions or comments
- 従来のattentinにはなかった、Key, Query, Valueの原理と潜在的な意味を解釈すると、より理解が深まると感じた。
- 時系列データに限らず、様々な分野でattentionを用いたTransformerが応用されているということで、その源泉となる論文について知ることができてよかった。
Title
Embodied intelligence via learning and evolution
📄Resource https://www.nature.com/articles/s41467-021-25874-z.pdf
🔎Points
1. This paper introduces Deep Evolutionary Reinforcement Learning (DERL), which is a framework where the agents are diversely evolved.
2. Each agent uses Deep Reinforcement Learning during its lifetime, then spawns the next agents with similar architectural traits, but does not pass down the parameters it have learnt.
3. DERL results in diversity of solutions, since only the traits are passed down to the next agent but not the parameters.
4. The algorithm also mimics how agents able to learn faster also passes down their information faster to the next agent.
💬Questions or comments
1. Since the concept of deep learning came from animal’s perceptrons, creating the agents in a more “nature” way is an interesting topic.
2. Can this concept be implemented into other domains as well?
Title
Opportunities for neuromorphic computing algorithms and applications
Schuman, C. D. et al. Opportunities for neuromorphic computing algorithms and applications. Nature Computational Science 2, 10–19 (2022)
📄Resource https://www.nature.com/articles/s43588-021-00184-y
🔎Points
- 脳の神経系を再現したコンピュータアーキテクチャとして近年開発が進められているニューロモーフィックコンピュータはその多くの研究がハードウェア的な実装に関するものであった。それに対して本論文ではそのアルゴリズムと応用例についての議論がされている。ニューロモーフィックコンピュータが持つ計算性能を十分に活用するためには適切なアルゴリズムやアプリケーションへの接続が必要不可欠になるためである。
- ニューロモーフィックコンピュータを構成するものとして、スパイクニューラルネットワーク (SNN) と呼ばれる神経系のシナプスのような時間的ダイナミクスを有するものが用いられる。この SNN が導入されるものを大別すると「機械学習アルゴリズム」と「非機械学習アルゴリズム」の2つが挙げられる。
- 「非機械学習アルゴリズム」の応用例として有向グラフなどが挙げられる。これによりグラフの特性を明らかにすることが可能であり、COVID-19の広がり方の分析に用いられたことがある。
💬Questions or comments
- エネルギー効率が高いことからニューロモーフィックコンピュータもその目標とするものはIoTエッジコンピューティングへの導入であり、今後より一層発展していく分野であると考えられる。
- リザバーコンピュータはニューロモーフィックコンピュータの一部分でしかなく、エッジコンピュータを考える上で様々なアーキテクチャを知っている上でそれらの違いを明白にしリザバーコンピュータがどのような点で優れているのか、どの点に課題があるのかなどを知っておく必要があると思った。
Title
“Electronic Properties of Bulk and Monolayer TMDs: Theoretical Study Within DFT Framework (GVJ-2e Method)”,
Julia Gusakova et al.
📄Resource https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/pssa.201700218#pssa201700218-bib-0050
🔎Points
- 今まで用いられてきた手法である, LDAやPBEを使用して単層の遷移金属ダイカルコゲナイドのバンドギャップを計算すると, 約30%過小評価されるため, 電子特性を正確に予測することは困難である.
- GW近似はバルクの計算において正確な結果をもたらすが, 単層の場合では約0.5〜0.7eV過大評価してしまう. また, DFTのハイブリッド汎関数と同様に計算コストも非常に高くなってしまう.
- GVJ-2e法で計算を行うことによってMAEがPLギャップでは0.03eV, QPギャップでは0.06eVとなり, 最も実験値と近くすることができる.
💬Questions or comments
- 単層の場合の格子パラメータはどのように設定したのか気になった.
- GVJ-2e法で他の2次元材料のバンドギャップを計算した場合の精度がどのようになるのか自分で行ってみたいと思った.
Title
SEMI-SUPERVISED CLASSIFICATION WITH GRAPH CONVOLUTIONAL NETWORKS, Thomas N. Kipf, Max Welling
📄Resource https://arxiv.org/pdf/1609.02907.pdf
🔎Points
- グラフ構造を持ったデータの半教師分類について、グラフの構造をふまえてノードのベクトルを畳み込む、グラフ畳み込み層を追加する手法であるGraph Convolutional Network(GCN)を適用する方法や解説している。
- 従来研究であるグラフ信号を畳み込んで処理するGCNフィルタのパラメータを学習するパラメータとしたGCN層を利用して多クラス分類を行なっている。ここで、半教師分類なので訓練データのグラフのうちラベル付きされたノードについてクロスエントロピー誤差を考えて学習を行なっている。
- 実際の学習には二層のGCNを用いて学習を行なっており、論文の引用・被引用の関係を表すCoraデータセットやciteseerデータセットを用いて従来手法との比較を行なっている。従来の手法と比べて分類の精度は高くなっている。
💬Questions or comments
- グラフ構造データを扱う分類の手法の解説であったので、グラフで表現できるデータは様々あることから、さまざまな場面で活用の場面がありそうだと思った。
- GCNフィルタについて、Chebyshev近似したグラフフィルタの線形近似ということが書かれていたが、なぜChebyshev近似が利用されているのか、その背景が分かりづらかった。
Title
“Deep Value Model Predictive Control”
Farbod Farshidian, David Hoeller, Marco Hutter Robotic Systems Lab, ETH Zurich, NVIDIA
📄Resource https://arxiv.org/pdf/1910.03358.pdf
🔎Point
- Deep Value Model Predictive Control (DMPC) と呼ばれる、モデルベースの軌道最適化と価値関数推定を組み合わせたオフラインActor-Criticアルゴリズムを提案する。Actorはモデル予測制御(MPC)最適化器であり、目的関数はCriticによって推定された価値関数である。DMPCは2019年に” Plan Online, Learn Offline: Efficient Learning and Exploration via Model-Based Control”でKendall Lowreyらによって提案されたPOLOフレームワークを拡張したものである。
- 従来の手法では価値反復法の精度の良し悪しはサンプリング分布νに大きく依存するが、最適価値関数を推定するための最適なサンプリング方策は最適方策そのもの であるため、最適なサンプリング方策を求めることは容易でなかった。DMPCではMPCActorにおいてMPCのランニングコスト及びMPCの終端コストに相当するヒューリスティック関数に最適価値関数をそれぞれ適用した時のMPCActorが最適価値関数を推定するための最適なサンプリング方策となっている。
- また、従来の手法では価値関数の推定値について目標値(最適価値関数)との誤差𝜀がある時、この状態価値関数が持つ誤差𝜀の影響により劣悪な方策となってしまう可能性があった。POLOではPOLOでは方策をMPCで表現することで誤差𝜀の影響を受けづらくなり、価値関数の収束を早めていた。DMPCではPOLOの特徴をさらに拡張し、ヒューリスティック関数にCriticで求めた価値関数を適用することで、MPCの予測horizonが増加するにつれて価値関数近似誤差𝜀の影響を受けにくくなり価値関数の収束が速くなるとともに、局所解に陥りづらい方策を求めることができる。
💬Questions or comments
- MPCで得た経験を最適なサンプリング方策を求めるために再利用するというアイデアは、今までゴミだったデータをリサイクルしているようでとても面白いと思った。
- MPCには様々なハイパラメータがあり、これはMPCの設計者が経験的に設定しいる。このハイパラメータの値でMPCの精度も大きく変わるため、この最適化も出来たら面白いと思った。
Title
Metal Halide Perovskite Materials for Solar Cells with Long-Term Stability
Zhao, Z., Gu, F., Rao, H., Ye, S., Liu, Z., Bian, Z., Huang, C., Adv. Energy Mater. 9, 1802671 (2019).
📄Resource https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/aenm.201802671
🔎Points
- ペロブスカイト太陽電池の長期安定性についてまとめたレビュー論文。
- MAPbI3-x Clxなどのように、ペロブスカイトのA、B、Xサイトのいずれかを異なるイオンで部分的に置き換えることにより、安定性が向上する(グローブボックス内で30日後でも初期PCEの95%を維持)。また、ハロゲンと類似している擬ハロゲンアニオン(チオシアン酸アニオン(SCN)など)に置き換えることにより、耐湿性を著しく向上させることがわかっている。
- 2Dペロブスカイトは、表面のダングリングボンドが少なく、AX層のイオン性が高く、表面の緩和が大きいため、AX終端表面の表面エネルギーが低くなり、結果として通常の3Dペロブスカイトよりも熱力学的安定性が高いことがわかっている。しかし、2Dペロブスカイトの間に挟まるスペーサー層が壁となり、多重量子井戸構造となってしまい、再結合割合が高くなり変換効率が向上しづらい。そこで、八面体シートの数nが10よりも大きい準2Dペロブスカイトを用いる方法や、3Dペロブスカイトの上に2Dペロブスカイトを成膜する方法が考えられている。
- Aサイトの有機カチオンを無機のCsに完全に置換することにより、有機特有の分解リスクを排除でき、安定性が向上する。また、CsPbBr3を他のアルカリ金属カチオン(Li、Na、K、Rb)で部分的に置換することにより、ペロブスカイトの立方体積が収縮し、ペロブスカイト相をより安定させるため結晶粒径が大幅に拡大するようになり、ペロブスカイト相での再結合プロセスが効果的に抑制されることが報告されている。
💬Questions or comments
- ペロブスカイトの各サイトで、どのイオンが一番安定し、かつ変換効率が高くなるか、シミュレーションで探索してみると面白いと思った。
- さまざまなペロブスカイトが報告されているが、実用化を考えると製造コストや環境への配慮なども考慮した場合に、安定性が維持できるのかが気になった。
Title
Hydrogenated Cs2AgBiBr6 for significantly improved efficiency of lead-free inorganic double perovskite solar cell
📄Resource https://www.nature.com/articles/s41467-022-31016-w
🔎Points
💬Questions or comments
The 80-day environmental stability is a very impressive result with a conversion efficiency of 6.37%, but more engineering is required to get closer to actual use.
Efficiency targets of less than 10% are not interesting for single-junction solar cell applications. the pure Br lead halide perovskites, the E g is too high and photocurrents are too low, also for employment in multijunction cells. In this research, it has improved to 6.37%. This will help do more research on Cs2AgBiBr6.
Title
📄Resource
🔎Points
💬Questions or comments
Title
📄Resource
🔎Points
💬Questions or comments